自動車には、タイヤ、ブレーキディスクパッド、Vベルトなど使用により消耗するため定期的な交換が必要となる部品が多くあります。

また、事故や衝突などにより自動車のボディが破損したら補修部品が必要になります。

自動車部品商は、様々なルートより補修部品・用品を仕入れて、地域の整備工場等に販売しています。自動車の補修部品は殆どが車種専用ですので、部品商は整備工場から寄せられた車種情報を基に部品番号を検索します。

また、部品が届かなければ、整備工場での作業はストップしてしまいます。常に迅速な配送が求められるため、部品商は自社の部品庫に在庫が無い場合は、仕入先に取りに行き整備工場にお届けしています。

東京都内の自動車部品商は、過去30年余り任意団体として、会員及び取引先との親睦、情報交換をメインに活動してきましたが、ここ数年の市場環境の変化は急速で、このままでは、近い将来、部品商としての経営が立ち行かなくなる心配が出てきました。

そこで、今般、東京都自動車部品商組合を発展的に解散し、下記の課題に対応するため、事業協同組合を設立することを決意しました。

(1)電気自動車、ハイブリッド車への対応
東京都は平成21年5月からEV・PHV普及促進プロジェクトを始動させました。電気自動車やハイブリッド車の普及は補修部品市場に大きな影響を与えます。従来からのガソリンエンジン車には必要な部品であっても、EVやハイブリッドで不要になる例が多々あるからです。
部品商にとって次世代自動車普及による既存の補修部品市場縮小は大きな脅威であり、早急に新たなビジネス分野(商材、事業分野)を開拓する必要があります。
(2)補修部品ビジネスの高度化
最近の自動車は高度な電子制御化が進展しており、補修部品の需要も従来とは異なってきました。部品商においては従業員教育を充実させ、自動車の変化に対応すると共に、顧客に対してサポートが可能な人材を育成することが急務となっています。
(3)補修部品業務の効率化
少子高齢化の影響を受け、東京市場では数年前より保有台数が減少しています。今後、部品商が生き残っていくためには業務の効率化が必要です。
(4)共同購買の推進
組合員の各社には、様々な商品の売り込みがありますが、1社だけでは販売できるボリュームが少なく、仕入価格が高くなり取扱いを断念する例が多々あります。東京市場にマッチした商品を選び、組合全体で一括購入に取り組むことで、販売品目の拡大が可能となります。
(5)部品商の社会的地位の向上
補修部品市場が縮小傾向にある中で、市場競争は激化しています。部品商は地域市場において整備工場の部品業務をサポートし、必要な部品を調達するという重要な役割を果たしています。今後、この業態が永続的に発展するため、部品商の社会的、経済的な地位を向上させ、組合員会社の経営の安定を図る必要があります。

以上、相互扶助の精神に基づき、組合員の経済的地位の向上を図ることを目的として中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合を設立するものであります。